「第7回詩のボクシング岡山大会予選」 を鑑賞しました。
総勢20名プラス飛び入り1名が予選突破を目指して5組に分かれて、3分間の詩の朗読に挑みました。
審査員は楠かつのり氏でした。1人が朗読し終わると楠氏のコメントがありました。楠氏のコメントは、時に教育的に、時に挑発的に感じました。楠氏は詩人の真剣な朗読に応えるためにも、真剣で愛情のこもったコメントをされているように感じました。また、楠氏のお話で、ある地方でいじめについて保護者のお母さん方と話したときに感じた苛立ちが印象深かったです。それは何というか、文明社会がもたらす心の貧しさとでも言うのでしょうか。日本の社会全体に対する危機感のように思いました。そして、その危機感を突破するような強烈な詩の力を求めるように、詩人たちに潜在している底力をかき立てるために、一人ひとりのコメントに力が入っているように想像しました。
特に印象に残ったのは岩本さんと澤さんでした。岩本さんの「チャイルド」などの単語や「脳内再生」などのSF的なイマジネーションが、逆にリアルな今を感じさせてくれました。次に澤さんですが、彼の朗読を見て、第1回チャンピオンの若林さんを思い出しました。若林さんの男性版があるとしたら、澤さんのようなタイプかもしれないと思いました。詩神とリンクするような秘められた才能の持ち主かもしれません。あと少し集中すればと思いました。
それにしても、出場者した方々は素人らしさを感じさせない高い技量を持っているように思いました。楠氏のコメントにあったようなポイントをフィードバックしてゆくと、完成度が高まってゆくのだろうと思いました。本大会が本当に楽しみです。個人的には、たとえ技術が未熟でも、日本語や自然の豊かさを感じさせてくれる詩があったらいいなと思っています。というのも、日本語と自然さえあれば、日本の心の豊かさは保たれると、最近は楽観的に思うようにしています。