2006年9月17日

第6回詩のボクシング岡山大会本大会


「第6回詩のボクシング岡山大会本大会」 を鑑賞しました。


この第6回以前の全大会を見てきたわけではないので正確には分りませんが、
これほど充実した「詩のボクシング岡山大会」は初めてではないでしょうか?

予選を突破して選ばれた16名はそれぞれに自分の持ち味を発揮されて、
会場の観客を飽きさせないどころか興奮の渦に巻き込みました。
その証拠に審査員の判定にこれほど敏感に観客が反応した大会は今まで無かったと思います。
(詩を勝ち負けで判定するなんて無茶な役目を負わされた審査員の方々は本当にお疲れ様だと思います。)

そして、トーナメント方式で対戦され、7人の審査員が判定した結果、郡宏暢さんが優勝されました!
郡さん、おめでとうございます!この希にみる激戦の第6回大会での優勝は本当に凄いことだと思います!

今回は印象に残ったことがとても多い大会でした。

冒頭の竹入光子さんによる永瀬清子の詩の朗読は、清々しさの中にも、きっぱりとした力強さがあり、
これからはじまる朗読空間を見事に磨き上げて準備を整えられました。

また、さわら小町さんの艶やかな着物姿が、ともすれば殺伐となりそうなボクシングのリングを、
闘牛場のカルメンのような効果を発揮して、より高い美の空間に演出されていました。

へい太さんの司会進行には、暖かいオーラを感じました(笑)。
だって、ちょっと間違えても観客のハピネスは逆に増すばかりでしたからね。

そして、個性的な朗読の数々でした。
対戦なんて言わずに、もっとじっくり、たくさん聞いていたい詩の数々でした。
(でも、審査員の方が言われたように、頭は心地良くフラフラになっちゃいましたね。)
以下、印象に残った朗読の感想です。

・澤さんには、憑きモノの降臨、語り部の末裔を感じました!このソフィスティケートされた21世紀にこのような語り部空間を現出させられる野性を見られて感動しました!楠さんが評したように復活戦に再選してほしかったです。

・船津さんの準決勝の作品、最後まで聞きたかったです。タイムマシンとして弾丸が出てきたとき、結末がとても気になりました。近代精神の行きつく果てに現れる狂気の闇が見られるのでは?とドキドキしました。時間切れがとても残念でした・・・。

・空太郎さんの芸風は、とても完成度が高く、あとは詩をどこまで深めてゆけるかと感じました。
「その通り」のためだけに用意された大掛かりな無駄なセットとバナナのアドリブには、凄いと唸らされました!

今大会は誰が優勝してもおかしくないほどのまれに見る大接戦・大激戦でした!
お笑いではない、詩の朗読というパフォーマンスアートが、世界を席巻する日もそう遠くないのかもしれないと強く感じさせられた大会でした! 全国大会がとても楽しみですね!